説明責任とは?自分以外の人に理解してもらって初めて果たせるもの

国会での失言や企業の不祥事のときなどによく目にする「説明責任」という言葉。本来の意味を知らないまま使っている可能性もあるのではないでしょうか。今回は、事例をもとに説明責任についてお話します。

説明責任とは

説明責任とは
説明責任と聞くと失言や不祥事などマイナスの払しょくのための”弁解”や”言い訳”といったイメージがありますが、本来は自分の言動について自分以外の人に理解してもらうためにする行動を指します。

”弁解”や”言い訳”ともいえますが、何が原因で何が起きていて、今後どうなるかをわかりやすく説明することが大事です。

ちなみに、政治家が失言したときの「説明責任」は、単なる”言い訳”にすぎませんし、追及するマスコミも「説明責任」と声を上げるものの具体的な質問をする方が少ないことから結果的に”言い訳”で終わってしまいます。

事例から見る説明責任

事例から見る説明責任
説明責任の事例として、最もわかりやすい例でいうと企業が開催する株主総会が挙げられます。一年の事業報告と将来の活動予定を株主に報告する場ですが、通常、マイナスのイメージはありません。

さらに、職場で同僚や上司に頼まれた仕事の報告も広い意味では説明責任といえます。どう理解して何をしてどんな結果を出したのかを説明することで相手の理解度も高まります。

説明責任を果たす

説明責任を果たす
すでにお話ししていますが、あらためてまとめておきます。説明責任とは”弁解”や”言い訳”ではなく自分のやってきたことを理解してもらうための行為をいいます。

「理解をしてもらう」には、同意や拒否を含みます。同意とは、説明をしたのち賛同や受け入れてくれることを意味し、拒否とは、反論ややり直しを含みます。

拒否を含むのは、伝わっていない、伝え方が悪い、そもそも趣旨が間違っているなど説明する情報や言葉が足りない場合を指します。

説明をした際に最も困惑するのが、反応がないこと。デートの待ち合わせの時間に遅れてしまったときにあれやこれやと説明して謝罪したものの文句も言わず、怒りもしない彼女の態度と同じです。

以上から、相手の反応により、自分の説明責任が果たされているかどうかの判断ができるといえます。

説明責任と声を上げる前に

説明責任と声を上げる前に
今までは説明責任を果たす方のはなしをしましたが、ここでは逆の立場のときの話をしたいと思います。説明責任を果たす側に役割があると同様に説明を聞く側にも役割があります。

できるだけ感情的にならずに客観的に建設的に話を聞く態勢を整えることが重要です。お店でずっとほしかったものを買うときにその商品の説明を店員から聞くときの気持ちといえばおわりでしょうか。

逆に感情的になって、批判的な態度とは、約束をすっぽかされたときに謝罪されるときの気持ちというとわかりやすいのではないでしょうか。

怒りが収まるまでは攻撃的な言葉しか出てこないことから最悪の場合は、決裂という事態にもなりかねません。怒りに任せて「説明責任が果たされていない」と声を上げる前にまずは聞く態勢を整えることが大事です。