圧迫面接の隠された意図とは?大半は面接で本音を引き出すための演技

就職活動時期になると何かと話題となる圧迫面接。単なる嫌がらせでやっているのか、それとも何か理由があるのか。今回は、圧迫面接についてお話します。

圧迫面接とは

圧迫面接とは
毎年ある時期になるとニュース等でも取り上げられる就職活動の話題。就職氷河期、就活など数々の言葉を生み出していますが、いまだになくならないのが「圧迫面接」です。

内容は受けた人によってさまざまですが、おおむね、和やかな面接ではなく、むしろ思い出したくもないような内容だったというものです。

実際に面接を見た人はなく、受けた人の印象によるものが大きいのですが、内容は違うもののおおむね威圧的な態度やひどい言葉を浴びせられたというものです。

経験したという人の数があまりにも多いことから、単なる主観的な話ではなく、実際におこなわれているのではないかも言われています。

詳細は後述しますが、面接する企業側もある意図をもって、圧迫面接をおこなっているケースもありことから、内容はどうあれ実際におこなわれていることは確かのようです。

実際にどんなことがおこなわれているのか。

圧迫面接という言葉は知っていても実際の具体的な内容を知る人は少ないものです。では、実際どんなことがおこなわれているのかいくつか紹介します。

  • 興味なさそうな態度を取られる
  • 威圧的な態度を取られる
  • 否定的な発言をしてくる

ただでさえ緊張している面接なのに上記のような態度を取られると面食らってしまいます。さらに、自分を否定されるかのような発言に傷つき挫折してしまうこともしばしばです。

こんな言葉があります。

「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」

この言葉の中に、圧迫面接の上手な受け答えのヒントが隠されています。

圧迫面接の意図とは

圧迫面接の意図とは
そもそも、なぜ、圧迫面接をするのか、ということ考えたことがありますか?ここでは、圧迫面接の意図についてお話します。

圧迫面接をする企業側の真意を考えてみる

圧迫面接をする最も大きな理由は、応募者の隠れた素性を見ることです。「隠れた」というのがミソですが、想定問答で想定される質問では隠れた素性は見れません。

そこで、面接官は、面接の時間内にわざと予期せぬ出来事を発生させ、その時に、応募者がどんなことを考えどう対処するかを見ているのです。

企業側が面接までに判断する材料は、履歴書や職務経歴書などの書類のみです。目を通してある程度は想像できますが、ほしい情報までは手に入りません。

そこで、ひとつの方法として、前述したような応募者が面食らうような面接時に予期せぬ出来事を起こす必要が出てくるのです。

圧迫面接をされるのは期待の裏返し

応募者にとって圧迫面接は精神的なダメージが大きいマイナスのイメージのものですが、考えようによっては、プラスにも取れます。

それは、書類では、企業側の欲しい人材に合致していて、入社後の配置を想定して不測の事態の対処法を見ているとも考えられるからです。

逆にいうと、圧迫面接を切り抜ければ、内定にかなり前進するということです。

意外と知らない自分のこと

面接の事前準備は自分を知る絶好のチャンスです。形式的に自分が今までやってきたことの再確認ができるうえ、自分の欠点を再認識できる時間にもなります。

圧迫面接の対処方法を考えるときに、心配ばかりしていて、建設的に対処方法を検討できなかったり、伝えたいことがまとまらなかったりなど面接においての欠点が見つかる場合があります。

そういった不測の事態についても、事前にしっかり準備をしていて、最低限の対処ができるかを見るのも圧迫面接の意図の1つです。

圧迫面接の対処方法

圧迫面接の対処方法
圧迫面接の対処方法を考えるときに、頭を整理する意味でも、絶対にやってはいけないことから固めていきます。ここでは、絶対にやってはいけないことやいくつかの間違った対処方法をお話します。

間違った対処方法

下記に挙げたものは、圧迫面接の際に絶対にやってはいけない対処方法です。後述する質問事例とあわせて検討していきます。

  • 反抗的な態度を見せる
  • うろたえる
  • 論破しようとする

まず、反抗的な態度ですが、入社後の仕事上のトラブルの際に出る態度だと取られてしまうためマイナスです。企業にとって、いかなるケースでもとってほしくない態度だからです。

圧迫面接では、侮辱的な言葉を浴びたり、否定的な言葉を浴びたりするので、気分を害し、にらみつけるなど反抗的な態度を取りたくなりますが、反抗的な態度をとっても事態は好転しないことを理解しましょう。

次に、うろたえてしまい答えに窮してしまうのもやってはいけないことです。こちらも入社後、不測の事態が起きた際に何もできないと印象付けてしまうのでマイナスイメージとなります。

ただ、面接中の質問すべてに答えられないことはないと思います。大事なことは、一時的にうろたえたとしてもすぐに切り替えて立て直すことです。

最後に、論破しようとするのもマイナスイメージです。そもそも、面接官を論破することはできません。なぜなら、面接の時間では、正論で話をしようとしていないからです。

圧迫面接の意図を思い出してください。「応募者の隠れた素性を見ること」なので、わざと悪態をついてきます。論破は、討論大会のみにしましょう。

圧迫面接対処法のポイントは「発想の転換」

ここまでは、やってはいけないことをお話してきましたが、では、具体的にどう対処すればいいのかについて考えていきます。

憎悪を表情や態度に出さずに、できるだけ感情をコントロールすることは大事ですが、いつもできるとは限りません。そこで、発想を転換をして、態度に出してしまった時のことも考えておくのです。

たとえば、「見苦しい態度を見せてしまい申し訳ありません。」などです。これも感情のコントロールはできています。また、自分の非も認識しているので、プラスのイメージになります。

答えに窮することなく、またうろたえることなく答えられることは理想ですが、すべての質問に対して答えられるとも限りません。

そんなときのために数秒間落ち着くための時間を作る方法を考えておきます。たとえば、「申し訳ありません。緊張して言葉がうまく出てこないので深呼吸させてください」などです。

普段から気持ちを落ち着けるときにしていることをするのもひとつです。面接官も答えに窮するのは認識しているので、答えに窮した後どう対処するのかを見ています。

最後に、つい反論してしまった場合ですが、素直に謝りましょう。ただ、謝罪すればいいのではなく、何に対して謝罪しているかを伝えることはとても大事です。

質問に対して感情をあらわにしたことなのか、不勉強だったことなのか。面接官も人なので反論されればいい気はしませんが、理由を述べて謝罪することで印象は変わります。

できるだけ素を出すことを心がける

ここからお話することは、応募者と面接官を経験した経験則からお話します。圧迫面接をする意図はすでにお話した通りですが、圧迫面接に至った背景があります。

それは、応募者があまりにも画一的な回答しかしないということです。大学や就職支援会社などから想定問答集が配られ、面接ではほぼ同様の質問と答えが繰り広げられています。

ある意味儀式のような面接では、入社後に企業が理想とする社会人像は想像できないことから、応募者本来の姿を面接の場で見ようという試みのひとつが圧迫面接になります。

圧迫面接がいいかどうかの議論は、別の機会におこなうとして、それほど、似たような回答をする応募者が多いとも言えます。

採用を検討している企業の本当の狙いは、「普段この応募者はどんな暮らしをしているんだろう」ということなのかもしれません。

書類に書かれている経歴は、実像なのか虚像なのかということも気になるところです。だからといって、信じてないわけではなく、むしろ確認したいということです。

そこで、対処法でも述べたように、うまくやろうとすることばかり考えずに、うまくできないときのことも考えておくことで面接官の印象は変わります。

うまくできないときは、まさに自分らしくやるしかありません。うまくやる必要はなく、しどろもどろになりながらでも結果的に立て直せればいいのです。

企業が欲しい人材は、すべてを完ぺきにできるスーパービジネスマンばかりではなく、不器用でもやるべきことをこつこつとやる人材も必要としています。

圧迫面接で聞かれる質問事例

圧迫面接で聞かれる質問事例

実際に面接でいわれた質問についてお話します。他にもあると思いますので、気になる方はネットで検索してみてください。

基本的に上から目線で「あなたはだめです」というスタンスで話してきます。社会人経験のある転職組ならまだしも、新卒者の場合は、知らないことばかりなので仕方ないことかもしれません。

圧迫面接での質問例

  • 君この業界のこと何も知らないね?
  • それじゃお客さんは満足しないよ。
  • こんなことも答えられないの?
  • それが君のしたいこと?
  • うちの会社じゃそんなもの必要ないね。
  • 君はそれで何をしたいの?
  • それ、誰に聞いたの?
  • そんな甘い考えじゃ務まらないよ。
  • 君はうちのことどれだけ知ってるの?
  • 君だけじゃないから。

圧迫面接の意図を理解すれば怖いものではない

圧迫面接の意図を理解すれば怖いものではない
今回は、圧迫面接についてお話しました。

圧迫面接という言葉からよくないイメージばかりが先行していますが、ほとんどの企業は、応募者の中でも有望と見込んだ人材に、最終チェックポイントのような意味合いで圧迫面接をおこないます。

裏を返せば、それだけ期待値が大きいということにもなります。書類や以前の面接からある程度の情報は得ているので、応募者の素はどうなのか、不測の事態でも対応できるのか、をはかると同時に、応募者の弱点も把握しています。

この長所、短所をもとに配属も決められ、その後の教育プログラムもある程度決まってきます。圧迫面接で失敗したからといってすべてを否定されたわけではありません。

企業側には意図があり、面接官はその意図に沿って圧迫面接をしているのです。あなたのことを嫌ってるわけでも、いやがらせをしているわけでもないことはしっかりと認識しましょう。

大事なのは、圧迫面接はこういうものだと受け入れる気持ちと自分で考えた対処法を実践することです。面接を受けるすべての人が、自分らしく面接を受けられることを願っています。