さまざまな場面で使われる「ネガティブ」という言葉。マイナスの場面でなんとなく使っている方が多いのではないでしょうか。今回は、ネガティブの意味やどういうことがネガティブになるのかについてお話します。
ネガティブとは
一般的には、マイナス思考とか否定的な考え方という意味で使われているネガティブ。本来の英語の意味もほぼ同じで、「否定的」「消極的」などとなっているので和製英語ではありません。また、ネガティブな考え方になるのは性格や生い立ちなどさまざまな要因が影響しています。
ネガティブとポジティブの違いは
ネガティブの反対語は、ポジティブですが、「前向き」「積極的」となります。比較的いい意味で使われますが、なかには嫌味で使う場合があります。たとえば、KYな人に対して、「あの人ポジティブだよね」など。また、使う場面も性格に対して、状況に対してなどさまざまな場面で使われます。
ところで、「ネガティブな性格」と聞くと、その人の言動すべてがネガティブととらえがちですが、必ずしもそうではありません。その理由は、消極的な場合にも使われるからです。仕事では先頭に立ってバリバリ仕事をする人は、比較的ポジティブな考え方の方が多いのですが、恋愛も同じかというと意外とネガティブだったりします。
このように、「ネガティブ=その人のすべてがネガティブ」にはならないということです。別の言い方をすると、誰しもポジティブな部分とネガティブな部分を持っています。
ネガティブ思考になってませんか
ネガティブになる理由はなんでしょうか。さまざまな要因が絡むことがあるのでこれという原因を突き止めるのは難しいのですが、ひとつだけ言えるのは、物事を複雑に考える方は陥りやすいということ。ただし、複雑といっても考えるなということではなく、必要ないことは考えるなということです。
たとえば、好きな人に告白するとします。好きな人に恋人はいないという状況で考えてみましょう。「告白して断られたら」「告白して付き合えてもうまくいかなかったら」というのは、誰しも考えることですが、これがすでにネガティブな思考といえます。
また、仕事で新しい業務を任されることになりました。「失敗したらどうしよう」「この仕事できないんじゃないか」というのも、ネガティブ思考となります。ちなみに、例に挙げた2つをポジティブにとらえるなら、「告白して付き合ったら○○にデートしよう」「この仕事を成功させてさらにステップアップしよう」となります。
さらに、理想的なのは、「好きな人のいいところは○○、悪いところは○○だけど好き」「この仕事を成功させるには○○さんの助けが必要なので頼んでみよう」というような考えができるとかなり前向きといえます。
ネガティブキャンペーンは選挙の時だけ?
選挙のときによく耳にする「ネガティブキャンペーン」という言葉。選挙戦の中で対立候補を批判して貶めようとする行為をいいますが、選挙に限った話ではあります。もっと身近なものでいうと「陰口」もネガティブキャンペーンのひとつです。自分以外の人や物に対して批判的な態度をとることをいいます。
ネガティブリストで頭とこころを整理
ネガティブリストの典型的なものは、法律です。理由はどうあれ人を殺めてはいけない、人のものを盗んではいけない、人を傷つけてはいけないなどやってはいけないことが列挙されています。これに対してポジティブリストとは、「やれること、できること」を列挙することです。
自分がどっちの施行になっているか判断するために、「今日やること」などゴールを設定してリストを作成してみてください。人生とか仕事とかになると大きすぎるので身近なゴールで試すといいでしょう。リストができたら深呼吸して眺めてみましょう。
内容はどうですか。できるだけ客観的にみてポジティブかネガティブかを見てください。一例ですが、「~をやる」「~を終わらせる」はポジティブ思考、何も書けないというのはネガティブ思考です。たとえば、「外に出たいけど寒いしなぁ」「掃除したいけど面倒だな」などは、できない理由を挙げているだけなのでネガティブ思考といえます。
ちなみに、「うちでごろごろする」というのは、休み明けの仕事を頑張るためならポジティブ思考といえますし、できない理由を挙げていった結果ならネガティブ思考ということです。
ネガティブフィードバックで振り返ってみる
ネガティブフィードバックには、「ネガティブな報告をする」「ネガティブに導く報告をする」という二つの意味があります。一般的には前者の「ネガティブな報告をする」として使われることが多く、たとえば、「期待外れだった」「思っているものと違った」などとなります。
例えでもわかる通り、伝えたい相手にとっては、聞きたくない内容なので、伝え方や言葉選びには慎重さが求められます。ちなみに、本来の意味としては後者になり、例としては伝え方を誤ったために誤誘導させたりやる気の喪失させたりすることを指します。
ネガティブのいいところ
ネガティブが悪いことだけかというといいところもあります。たとえば、それは、「慎重」ということ。何か新しいことをするときに反対意見というのは出てきますが、なかには、プロジェクトの成否を左右する重要な意見の場合もあり、その発言をもとに、プロジェクトをスタートする前に代案や対処法を考えておくことができます。
このように、ネガティブ思考も状況によってはプラスに働くこともあります。もし、その場にネガティブな発言をする方がいる場合は、耳を傾けてみることも必要かもしれません。
ネガティブは誰もが持っている
ネガティブな思考や発言は、状況によっては、誰もが持ち合わせるものです。そう考えると、「ネガティブだからだめ」ではなく「なぜ、ネガティブになった?」や「どうすればポジティブになる?」を考えていくと一歩進めるのではないでしょうか。まずは、ネガティブがどういうものかを理解したうえで、どう向き合うかを考えていきたいものです。